交通事故でむちうちになった場合の症状や病院での注意事項

最終更新日 2024年10月28日 by aheadm

交通事故にあったとき、むちうちになったという話を聞いたことがあるでしょう。

むちうちとは、車の追突事故やスポーツ時の事故の際、首に不自然な力が加わったことを原因として出現する様々な不快症状の総称です。

首は背骨の中を通って手足へと続く脊髄や、脊髄の枝ともいえる神経根が通っている場所です。

ですから首に衝撃が加わることで組織を傷つけ、更に神経をも傷つけてしまうのです。

ちなみにこれらの正しい傷病名は、「頚椎捻挫」とか「頸部挫傷」などです。

交通事故によるむちうちでは、事故から数日たってから症状が出てくることがよくあります。

そのため、事故当日はパニックに陥って「体はどこも痛くないし」と思っていても、「大丈夫です」などと言ってはいけません。

後々症状が出てきて苦しむことがありますので、事故を起こした相手の名刺や連絡先は必ずもらっておき、その上で速やかに病院に行って診察を受けましょう。

ほとんどの場合、半年以内に治癒します。

しかし症状がおさまらずに長期化して後遺症となってしまうケースもありますので、軽く考えてはいけません。

 

むちうちの症状

不快な症状で主なものは、吐き気・めまい・耳鳴り・体を動かしたときの痛みなどです。

むちうちは、次の4つのタイプに分けられます。

 

1,頚椎捻挫型

まずは1つめ、「頚椎捻挫型」と呼ばれるもので、首を支えている筋肉や靭帯が傷つくことを指します。

これによって首の痛みや酷いコリ、こわばりや肩こりなどの症状が起こります。

 

2,バレー・ルー症候群

2番目は「バレー・ルー症候群」と呼ばれるもので、首を損傷することによって自律神経が過度に緊張して色んな辛い症状をおこします。

例えば頭痛・めまい・耳鳴りなどです。

 

3,神経根症状型

3番目は「神経根症状型」と呼ばれるもので、首の痛みの他に腕や顔が痛んだり、倦怠感に悩まされたりします。

これは7つの骨で出来ている首の骨が事故の衝撃で本来の位置からずれ、骨の中の神経を引っ張ったり圧迫したりすることで症状が出ています。

放置しても自然治癒はせずに悪化していきますので、必ず治療してください。

 

4,脊髄症状型

4番目は最も重いもので、「脊髄症状型」と呼ばれています。

これは脊髄が傷つくことによっておこる症状で、下肢のしびれや歩行障害、知覚障害などの症状が出ることもあるほか、膀胱や直腸の障害によって排尿機能に支障をきたすこともあります。

 

むちうちの具体的な治療方法

では、どのようにして治療していけばいいでしょうか?

交通事故のむちうちであれば、加害者に対して治療費を請求することができますので、自力で治そうとはせず必ず医療機関で診断をうけて適切な治療を開始してください。

整形外科ではレントゲンやCT、MRIなどの画像検査など、必要なものを行ってくれます。

これらが証拠となって加害者に損害賠償を請求できますので、事故直後は必ず病院へいっていくつかの検査を受け診断をとってもらいましょう。

接骨院・整骨院・鍼灸院で治療を受けることもできますが、その時には事前に診断をしてくれた整形外科医の許可をとるようにしてください。

医師に相談すると、提携している接骨院を紹介してくれる場合もあります。

医師の指導に基づいて治療しているということを証明すれば、加害者側の保険会社に治療費を請求できるのです。

医師に相談しなかった場合、加害者の保険会社は支払いを拒否することがありますので、まずは担当医に許可をとるようにしましょう。

治療内容は主に、温熱療法やマッサージといった理学療法、湿布による外用剤などです。

痛みが酷い場合、ブロック注射という神経付近に麻酔を注射する方法がとられることもあります。

西洋医学と違って東洋医学はゆっくりと効果が現れ、根本からの治療になります。

しかし継続すれば症状が著しく改善しますので、途中であきらめないようにしてください。

 

参考になるサイト
交通事故におけるむちうち(頸椎捻挫、腰椎捻挫)の後遺障害等級と申請のポイント