最終更新日 2024年10月28日 by aheadm
事業売却とは今ある既存の企業が事業の一部または全部を他の企業や個人に売却することで、事業譲渡とも言われています。
売却す事業は財産である権利の他に、仕入れ先や取引先・運営組織なども対象になることがあります。
技術などの無形財産も譲渡することができます。
事業売却の際に発生した利益は売却もとの会社に還元されるシステムになっています。
事業売却とは特定の事業や複数の事業を売却することで、会社そのものはなくならず維持させることができます。
事業におけるすべての契約や権利を売却するので、手続きが非常に難しくなります。
事業売却と会社売却の違い
良く似た言葉で会社売却があるのですが、会社売却の場合は、会社が保有しているすべての株式を他社に譲渡をすることになるのです。
会社に関わるすべての事業や資産を他社へ譲渡することになります。
自社の株式を譲渡して、会社の経営権を譲渡することになるのです。
これは株主が変わって経営権が移るだけなので簡単に手続きすることができます。
株式譲渡は、対象になる企業の資産・負債をすべて引き継ぐことになります。
株式譲渡をすると、売り手の経営者は現金を手に入れることが可能です。
経営に詳しい光本勇介も株式譲渡の重要性について説いています。
事業売却をする理由
事業売却をする理由には2つの目的があげられます。
1つ目は経営の効率化を図ることが可能になることです。
複数の事業を経営している会社の場合には、経営方針の選択を集中して迫られることがあるのですが、事業譲渡をするにあたって1つの事業に絞って会社を成長させることができるようになります。
会社の経営悪化で、赤字にっている場合でも経営の効率化を図るために、赤字事業を売却することで、会社の経営を立て直す手段として利用されることもあります。
2つ目は事業譲渡は事業再生にも使うことができることです。
業績不振や債務超過などの事業を立て直す場合に有効になります。
経営不振でつぶれると顧客や取引先に多大な影響が出てしまうので、事業を他社に売却することで、従業員などを守ることができるようになるのです。
譲渡の対価は現金になるのですが、受け取り先は会社になり、オーナーにはならないので注意する必要があります。
事業譲渡のメリット
事業譲渡にはさまざまなメリットがあり、売りたい事業だけ売却することができる点が利点です。
事業譲渡では売り手側が売りたい事業を選ぶことができるので、経営していくことが困難な事業を譲渡することで、経営に余裕を持たすことができるようになったり、最低限の事業だけの残して経営することなど自由に選択することができるのでニーズに合わせて調節することができるようになります。
赤字の不採算部門だけを売却するなど、会社にとって不要な事業のみを売却することが可能になるのです。
残したい従業員や資産を会社に残すことができるようになります。
個人などで小規模の事業をしていると、今の事業を売却して新しい事業を始めることがあるのですが、その場合に事業譲渡を利用すると、会社自体は残すことができるので、ゼロからのスタートをしなくても新しい事業を始めることができるようになるのです。
事業譲渡ではそのまま既存の会社の法人格は残すことができます。
一部の事業を譲渡して新たに事業をする際に新会社設立の手間がかからないのです。
譲渡利益を得ることができる点もメリットになります。
譲渡する事業の現在価値に、今後数年間の営業価値などを踏まえて計算をした価額を現金で受け取ることができます。
買い手の会社が譲渡する事業に将来性を感じることができれば、現在の価値よりも大きな譲渡益を見込むことが可能になります。
しかし譲渡益には税金がかかってくるので、そのくらいの税金がかかるのかあらかじめチェックしておく必要があります。
事業譲渡は後継者問題の解決策になることも利点になります。
後継者問題は日本の中小零細企業が抱えている大きな問題になっています。
事業を譲渡するには赤字経営だと難しくなるので、企業価値をあげておく必要があります。
事業譲渡は会社の規模が大きいほど、手続きが困難いり税金面の負担も大きくなります。
しかし中小企業の場合にはメリットの部分が多くなるので、事業譲渡は中小企業に向いている手法になるのです。
事業売却が売り手側だけがメリットがあるわけではなく、買い手側にもメリットがあります。
買い手側のメリットとは、売り手側と同様、事業を選択することができます。
必要な事業だけを引き継ぐことができるので、事業の効率化を図ることが可能です。
優秀で欲しい人材を確保することも可能になることも利点になります。
契約をし直す必要がありますが、取引先を引き継ぐことができることもメリットです。
事業譲渡によって自社の弱点になっている事業を強化することが可能になります。
まとめ
株式譲渡とは違って債務や負債を引き継ぐ必要がないので、事業の良い部分だけを引き継ぐメリットがあります。
その他には新規事業を低コストで立ち上げることができたり、節税することも可能になります。