上野学園大学について教えて下さい。

最終更新日 2024年10月28日 by aheadm

上野学園大学は東京台東区にある私立大学で、音楽大学として知られています。
上野学園が出来たのが1904年であり、大学部が設置されたのが1958年で、大学としては比較的新しい部類に入りますが、1904年からカウントするならば2019年の時点で115年の歴史を持っている伝統がある学校です。
ちなみに、当初は女子高としてスタートしましたが、2007年にて共学化しました。
敷地内にはパイプオルガンで有名な石橋メモリアルホールがあり、各種講演会や演奏会を皮切りに能や狂言等も良く行われ、浅野温子と武田鉄矢のダブル主役や「僕は死にません」の台詞で有名なドラマ「101回目のプロポーズ」の撮影現場に使われたりもしています。
古楽器の演奏に使うエオリアンホール等も持っており、此処で開かれた演奏会も数多いです。

上野学園大学全体の方針

上野学園大学全体の方針で、「学生と先生が互いの顔が見える濃密な環境の中で、高度な音楽技術の習得だけに留まらず、豊かな音楽性と教養を身に付ける事が出来る様な学校にする」というテーマを追及しており、その事からも第一線で活躍する現役の音楽家を多数講師陣を採用しています。
講師の具体的な内訳ですが、ピアニスト・ショパン国際ピアノコンクール最優秀演奏賞受賞で名を馳せた田部京子女史に声楽家・チャイコフスキー国際コンクール声楽部門1位受賞の佐藤美枝子女史、ヴァイオリニスト矢部達哉氏や、チェリストの原田禎夫氏とハープのヨセフ・モルナール氏等、当代屈指の音楽家達が挙がります。
優秀な講師陣と同時に卒業生も音楽家として屈指の人物が多く、サザエさんの歌で有名なシャンソン歌手の宇野ゆう子女史や、シンガーソングライターの船越由佳女史等も学校で学んだ経験がある音楽家です。
学科としては通常の大学部の方には、まず音楽学科が設定されており、器楽コースと声楽コースとグローバル教養コースの3つがその内訳です。
続いて、音楽専攻科も設定されていてこっちは音楽学専攻と器楽専攻と声楽専攻を、それぞれ選んで勉強出来る様になっています。
ちなみに、短期大学部もあり、こっちはグローバル教養コースが無い代わりに、ピアノ専門と音楽療法士養成課程が入っている事がポイントです。

学校のキャンパスは主に2つに分かれている

学校のキャンパスは主に2つに分かれており、上野キャンパスの校舎棟と、上野キャンパスのホール棟がその具体的な内訳となります。
どっちもJRと東京メトロの上野駅から徒歩8分という交通利便性の良い立地条件であり、校舎棟の方には大学と短期大学部と高校、中学の講義室や教室、レッスン室が完備されていて、ホール棟の方は石橋メモリアルホール等の演奏会会場等が多く設置されていると思って下さい。
特に平成19年に完成した15階建ての都市型スクールである校舎棟の方はハイテク機材を積極的に使っており、電子ゲートシステムを投入していて、部外者は入れない様になっています。
他にも各階に地震の揺れを吸収するCSダンパーを72機も採用していますし、SECOMによる24時間警備も行われていますので、安全面では鉄壁と言っても過言ではありません。
勿論、学校の本道である音楽の事も徹底して追求した作りとなっており、レッスン室等は音が最高のコンディションで響く様になっています。

石橋メモリアルホールについて

ホール棟の方の代表格である石橋メモリアルホールにも、特筆すべきポイントが多いです。
最初は1974年に上野学園の講堂として設計された建物でしたが、2010年に日本を代表する音響設計家永田穂氏の手により大改修された事で現在のコンサートホールの姿となりました。
これを契機として都内でも屈指の音楽施設という事で有名になり現在の様に多くの利用者が訪れる事へと繋がっています。
ちなみに、石橋メモリアルホールには、音楽文化研究センターも設置されている事もポイントです。
このセンターは学生と教員による公演企画の支援と実施、地域交流を視野に入れた音楽活動プログラムの開発を筆頭に、大学の授業と連携した音楽マネジメントの実習・研修、音楽創作・演奏・教育普及に関わる調査研究を推進している事で知られています。
音楽文化を地域に発信するハブ拠点となって、多くの企画が此処からスタートしました。
これ以外には、校舎棟と同じく24時間のSECOM警備と希望によってお弁当形式の夕食が提供される事が特徴の学生寮や、17世紀~19世紀の間にヨーロッパで作成された150点もの上野学園古楽器コレクションがある楽器展示室の事等も見逃せません。
特に楽器展示室には、ロジェーリのヴァイオリンやヨアヒム・ティールケのヴィオラ・ダ・ガンバ、日本に1台しかないタンゲンテンフリューゲルといった逸品が揃っている事は特筆すべきポイントと言えます。

まとめ

海外の楽器博物館等とも頻繁に情報の交換を行っており、音楽の歴史の面を探求するという点でも上野学園大学には良い環境が揃っています。
そんな多くの実績がある上野学園大学ですが、残念ながら2020年7月15日開催の理事会にて、2021年度以降の学生募集を停止する決定がなされる事となりました。
それ以降の、大学部の行先については公式の発表が待たれる所です。