愛着の持てる木の家の魅力

最終更新日 2024年10月28日 by aheadm

住む人が愛着の持てる木の家

木の家は、住む人が愛着の持てるものです。

鉄筋コンクリートや鉄骨と比較して、木の持つ自然のぬくもりは、住み手の心を癒してくれます。

日本では歴史的に木造建築が発達してきました。

奈良や京都などの古都では、現在も木造で建てられた建築物が残っています。

しかし、明治以降は外来の石づくりの建築物が建築されるようになり、戦後は鉄筋コンクリート造や鉄骨造が大型建築物の主流となりました。

住宅建築においても、工場生産が可能な鉄骨プレハブ造が盛んに建てられるようになり、木造の住宅はシェアを落としていきました。

この流れの中で、我々は木造建築の良さを見直す時期にさしかかっています。

建築の構造材としての木材の優劣や、仕上げ材としての木材の効用を見直すことは、木造建築の伝統を引き継ぐ日本人の義務と言えます。

木の家といった場合、単に仕上げに木を使っているだけではなく、構造材にも木材を用いていることが必要です。

さらに、外来の2×4工法の家は木造でつくられてはいるものの、日本人が考える木の家とは遠いものです。

ここでは、伝統的な木造軸組み工法の家を中心に、その優劣を見直していくことにします。

評価するのは構造耐力、耐久性、健康に対する影響です。

木造の住宅は鉄筋コンクリート造や鉄骨造の住宅と比較して、耐震性が弱いと考えられています。

しかし、しっかりとつくった木造建築は、鉄筋コンクリート造や鉄骨造に劣らない耐震性を持つことは意外と知られていません。

日本の伝統木工法は、現在の住宅建築における木造軸組み工法とは異なります。

伝統木工法は太い部材を幾重にも組み合わされた重厚なものです。

奈良や京都の伝統建築では、伝統木工法の本来の姿を見ることができます。

奈良や京都の伝統建築は伝統木工法で建てられ、何度も大きな地震に見舞われてきました。

日本の伝統木工法とは異なる木造軸組み工法

しかし、部材が老朽化しているなどの理由の他は、大地震においても大きな被害が出ることはありませんでした。

日本の伝統木工法は、地震では簡単に壊れることの無い、丈夫な構造をしています。

それに対して、現代の住宅で使われている木造軸組み工法は、伝統木工法とは異なります。

柱と桁や梁で構造を組むことは伝統木工法とは変わりませんが、土台に足固め、桁に通し貫などのように、重層的に材料を組む手法は用いられていません。

それは戦後の復興を急がなければならない事情や、住宅を供給する営利企業の経済合理性からくるものです。

現在の木造軸組み工法は本来の伝統木工法とは異なるものの、柱と桁や梁で構造を組むという基本的な部分は踏襲しています。

木造建築の耐震性は建築基準法により規定されています。

木造住宅は筋違いや合板等により、一定量の耐震壁をつくることを義務付けられています。

木造軸組み工法においては主に筋違いが設置され、耐震性を担保しています。

さらに、壁に構造用合板を打ち付けることで耐震性を高めています。

近年、日本は想定外の巨大地震に見舞われています。

それは、建築基準法の想定を超えるもので、一般の住宅にも建築基準法で定められた最低限の基準を超える耐震性が求められるようになりました。

木造住宅の主な供給者である工務店では、独自に耐震性を高める工夫を行っています。

その決め手となるのが床の剛性です。

壁のような鉛直面だけの剛性を高めても、耐震性においては不十分です。

床のような水平面において剛性を高めることで、地震に強い建築とすることができます。

さらに、学者らの研究により、木造住宅の耐震性を高めるためには、2階の壁の位置と1階の壁の位置を合わせることで高まる直下率が影響することがわかっていました。

耐震性の高い住宅をつくるためには、2階の下部には壁を設けることが必要となっています。

木の家は鉄筋コンクリート造や鉄骨造には無い魅力がある

木の家は鉄筋コンクリート造や鉄骨造には無い魅力があります。

それは、耐久性と可変性です。

鉄筋コンクリート造や鉄骨造の住宅の耐久性は50年程なのに対して、木造の耐久性は100年を越します。

せっかく建てた住宅の耐久性が低いことは、住宅を資産と考えた場合に問題となります。

木造の住宅が鉄筋コンクリート造や鉄骨造の住宅を比べて長持ちするのは、単に構造部材の耐久性が高いためではありません。

木造は鉄筋コンクリート造や鉄骨造と比べて湿気を溜め難く、結露が生じにくいことが原因となっています。

湿気の多い日本の気候の中では、木造は有利な構造と言えます。

木造建築は自然素材が用いられています。

構造材や仕上げ材に無垢材を用いることで、健康的な住宅をつくることができます。

鉄筋コンクリート造や鉄骨造の住宅では化学建材が使われることが多く、中で生活する人に不快感を与える恐れがあります。

木造住宅は自然素材を使いやすく、シックハウス症候群が発生する恐れを減らすことができます。

木の家は、鉄筋コンクリート造や鉄骨造と比べて劣るものではありません。

その特性を知ることで、地震に強く長持ちする住宅をつくることが可能です。