住宅ローントラブル解決法としての任意売却の要点と注意点

最終更新日 2024年11月26日 by aheadm

不景気になりサラリーマンの賃金が減ってきたり、病気になったり、逆に景気が良くなって金利が上がってくると住宅ローンの支払いが困難となって支払いが滞る例が出てきます。

いわゆるローンの滞納です。

ローンの支払い能力がなければその物件を売却して、その代金で借金が払いきれればよいですが、住宅のような不動産は時間がたてば徐々にその価値は下がってゆき、残った借金のほうが多くなって売却しても借金が残ってしまうこともあります。

また、住宅ローンを組んでいる物件には抵当権が設定されています。

借金が返せなくなったときにはその物件を担保として、優先的にその物件を処分して債務を回収できる権利ですが、その抵当権が設定されている限り、売却は極めてまれな例ではできないわけではありませんが困難であることは間違いないです。

こうなると住宅ローンを貸し出している銀行などの金融機関は、督促から物件の差し押さえを経て競売にかけ、貸したお金の回収をしようとします。

いわゆる競売と呼ばれるものです。

しかし、この競売は一般的に不動産市場で売買される市場価格と比べてみると2~3割程度安くしか売れないことが多いとされています。

さらに、競売は裁判所が介入して行われる債権回収ですから非常に制限があり思うようにはすすみません。

金融機関にとっては借金が返せればそれでいいかもしれませんが、裁判所などとは付き合わずに、さらにできることならやはり高く売りたいというのも本音でしょう。

また、競売にはそれなりのコストもかかってしまいます。

そこで、最近よく話題になってきているのが任意売却という方法です。

これは、金融機関とお金を借りている債務者との合意のうえで、不動産業者を仲介者に立てて両者が合意する価格でその物件を売却できるようにできるシステムです。

こうすれば、いわゆる通常の不動産売買とほとんど同じ経過で売却を進めることができますので、競売よりは高い価格で売却することが可能で、たとえ借金は残ったとしてもその後の返済を軽くすることができます。

より高く売却できるということは、売却後の返済額は減りますので、その後の生活はしやすくなります。

また、売却後の残りの借金の返済も無理のないように相談できますので最もしたくないであろう自己破産も逃れることも可能となるメリットがあります。

ほかにも任意売却にはメリットがあります。

まずは精神的に、競売にかけられ無理やり長年住んでいたなじみのあるマイホームを奪われたような印象は薄くなります。

通常のように売却して家を手放したなら精神的なダメージが少ないでしょう。

さらに競売かけられれば新聞などに公示され時にはご近所さんに知れ渡ってしまうことにもなりかねません。

そうなるとかなり気まずいし、住みにくくもなります。

任意売却であればそのようなことはほとんどなく、近所づきあいにも悪い影響はでにくいでしょう。

また、物件が売れた場合も、通常の不動産売買と変わりませんので、いつまでに必ず退去しなさいなどの命令ではなく購入者などとの相談のうえで引っ越し時期も決められます。

さらに、立ち退きには引っ越し費用が必要になりますが、引っ越し費用なども売却代金から配分されますので、自己負担が減ります。

いくつかのメリットを挙げてみましたが、デメリットももちろんあります。

不動産業者もいい人ばかりではありません。

仲介してもらった不動産業者に問題がある場合、通常は払わなくてもいいお金を知らないまま支払わされたりするリスクがあります。

しかし、支払いが続けられなくなるような場合になってしまったっ場合は競売よりは、やはりメリットは大きいでしょう。

そこで一つ、いわゆる通常の不動産売却(一般売却)と任意売却の違いがないように思われる方もいるかもしれません。

一般売却と任意売却の違いは、あくまで一般売却は不動産所有者の都合での売却になりますので、売却の主導権は物件所有者になりますが、残った借金よりも売却金が少なければその差額は自分で用意して売却時には一括で返済する必要があります。

任意売却は返済ができない、あるいは非常に困難をきたしている人のためのものですのでその救済のための制度です。

救済の意味合いもありますので、その売却の主導権は金融期間にもその進捗には左右されるところが違うでしょう。

毎月の返済が滞りなく行われていれば金融機関もその許可はしてくれないと思われます。

金融機関に認めてもらうにはローン返済が滞るような状況になりますので、信用機関にもその記録が残ります。

したがって、もし仮に売却後に経済状況が好転してもう一度、マイホームを購入しようとしたときにローンを再び借りようとしても貸してもらえない可能性も高くなります。

クレジットカードを作るなどにも影響が出ますので、このことは十分覚悟しておくべきです。

最後に、せっかく手に入れたマイホームです。

できるならば手放したくないのが本当のところでしょう。

売却だけでなく賃貸に出すなどの方法もありますので、信頼できる不動産業者と相談して後悔のない判断ができるといいですね。

出典:任意売却することで自宅を守り現金を残す方法を考える!